議員の資質


地方統一選挙を前にしての自民党総決起集会から


先日地方選挙を前にしての自民党総決起集会を見る機会があった。この大会は知事・市長・道議・私議の総勢8名とその支援団体の約千名が一同に介し各候補者の決意表明を行う会であったが、会場の熱気に押され各候補者がボルテージの上がった気炎を上げ、それに呼応する支援団体の拍手と声援の異様な雰囲気中で進行していった。

私自身は最近の自民党に対し不信感がつのっており(他の政党に対しても同じで、要は全ての政党不信)そんな意識であったことが原因なのか、会が終了して帰路につきながら胸になんともいえない違和感と疲労感がただよってしまった。

その原因が何であるのかすぐには分からなかったが考えてみると次のようなことであろうと思う。

会場に集まってあれだけの声援を上げていた各候補者支援団体のおじさんやおばさんたちのどれほどの人たちが、自分が支持している候補者の、議員としての資質を把握し我々の将来を託することができるのか、少なくてもこれからの4年間その人間に身を任せることができるのかを確信しているのか、又候補者の決意表明はこのような雰囲気の中、5分間という短時間ではではしょうがないことなのかもしれないが、具体的な自分の活動目標をほとんどの人から聞くことができなかったこと、少なくともこれから市政・道政をつかさどるとための「志の高さ」がほとんどの候補者から伺いすることさえができなかったことである。

志の高さとは、わが街に公園を公民館をそして公共工事も良いのだが、ちょっと待って少し冷静に考えてほしい、議員の各先生方が皆でそれを競い合っていたから国も地方も莫大な借金を抱えてしまっているのではないか、子供孫がかわいいといいながらこれらの借金を全て彼らに負わせようとしてよいのだろうか、あらためて志の高さとは、私利私欲を持たずこれから10年20年いやもっと先を見据え国全体、問題によっては世界規模での最適を考え果敢にそれを実行することにより効率的公平に全体最適を実現するとゆうことであろう。

あのアメリカ合衆国の大統領であったケネディが故郷マサチュウセッツ州の州議会で別れのスピーチとして語った内容がまさしくその志の高さを表していると思うのだが。

2期目以降に入る各候補者のパンフには一様に自分が行ったかのように書かれた実績の数々、どこどこにどんな施設を設けた等のことばかりが書かれていたが、市及び道の将来について、今後道及び市の行政はどうあるべきか、自分はその目的に向かって何をしようとしているのか、短い時間の中でもわずかでもよいから表現してほしいものであった。

2003年3月

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