酒の適量(健康を維持する)

ボケ防止にも効果ありという調査結果毎日飲んで体にプラスになる酒の適量
                                     2002.2.23

適度の飲酒はボケ防止になる――のんべえのサラリーマンにはうれしい調査結果が出た。

オランダのエラスムス大医学部が、55歳以上の約8,000人を6年間調査。
その結果、ビールやワインなど酒の種類にかかわらず、少量から適度の酒を毎日飲んでいる人は、アルツハイマー病などさまざまなタイプの痴ほうになる確率が、最大で70%ダウンすることが分かったという。
酒は百薬の長、どんな薬を飲むよりも健康の維持・増進に役立つといわれる。

しかし、それはあくまでも「適量」が大前提。

先のボケ防止効果もそうである。

「40歳から頭がよくなるちょっとした方法」(青春出版社)の著者で医学博士の米山公啓氏も、「適度な飲酒は、心筋梗塞など虚血性心疾患のリスクを下げるという調査結果も出ている」という。

そこで知りたいのが「適度な飲酒」がどの程度の量を指すのかだ。
先人の教えをひもとくと、紀元前6世紀のスキタイの王族、アナカルシスは「酒の1杯は健康のため、2杯は快楽のため、3杯は放縦のため、4杯は狂気のため」と言った。

法華経には「1杯は人酒を飲み、2杯は酒酒を飲み、3杯は酒人を飲む」とある。
せいぜい2杯までにしておけということだが、もっと具体的な数字はないのか。
「日本人は欧米人に比べてアルコール分解酵素が少なく、お酒に弱いといわれます。
欧米の適度な飲酒量の目安が、そのまま日本人に当てはまるわけではない。

個人差はありますが、1日に日本酒1合程度が適量といわれますね」(米山氏)厚生労働省の健康づくりの指針「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒」は1日平均で純アルコール約20グラム程度。これは飲酒量と死亡率の関係など、国内外の研究結果に基づいて設定したものという。
                      
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意外にたくさん飲めるゾ!!                  
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それでは、約20グラムの純アルコールとはどの程度の量なのか。

ビールや日本酒などに含まれる純アルコールの重量は「容量×アルコール度数×.8(アルコール比重)」で計算できる。
たとえば、アルコール度数5%のビール中びん1本(500ミリリットル)には、「500×0.05×0.8」でちょうど20グラムが含まれる計算。つまり、厚労省の指す「適度な飲酒」とは、ズバリ「1日ビール中びん1本」なのである。
これが度数15%の日本酒なら1合(180ミリリットル)で約22グラム。度数35%の焼酎ならシングル(30ミリリットル)のロック2杯半で21グラム。度数43%のウイスキーならダブル(60ミリリットル)の水割り1杯で約21グラムだ。
これでおおよその目安が分かったはずだ。ちなみに度数12%のワイン1本(720ミリリットル)にはおよそ69グラムの純アルコールが含まれるので、3人でボトル1本を均等に分ける程度が「適度な飲酒」になる。

「そんなんじゃ飲んだ気がしない」という人には、こんな救済情報もある。
米国の保健科学協議会の調査結果によると、日本酒換算で0.4〜1.5合程度のお酒を毎日飲む人の方が、まったく飲まない人と、これ以上飲む人より死亡率が低いという。

この結果に従えば、純アルコールで32グラムまではオーケーとなる。

もっと飲んでいいという調査結果もある。
「日本のアルコール健康医学協会では、適量は2単位ぐらいのお酒(ビール大びん2本、日本酒2合、ウイスキーダブル2杯)までとしている。日本酒2合を超す量を適量とする情報は見当たりませんね」(医療ジャーナリストの笹塚明夫氏)純アルコールで約43グラムが適量のギリギリということか。

これだとビールの中びんを1本飲み、焼酎シングルのロックを3杯までとなる。

こうしたいろいろな説を参考に自分の適量を決めればいい。そうすれば安心して毎日酒が飲めるのだ。

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