足るを知るについて



「足るを知る」について稲盛京セラ会長がある新聞に手記を書いてあるのを見、なるほどなるほどと痛く納得したのであるが、さてわが身に照らしてみるにつけこの言葉から反省することが山ほどある。

とはいえ、仙人のような暮らしをする気にはまだなれず、今現在も結構つましくやっているつもりだが、今後、節目節目にこの言葉を思い出し節度ある暮らしを心がけるということであろうか。

と言うより「足ることを知らなければ、豊かさを感じることはできない」といった事を考え「足るを知る」という気持ちの持ちようをしっかり身につけることなんであろう。



「足るを知る」

京セラ株式会社
名誉会長 稲盛 和夫

 現在長い不況の中にいるものの、家庭には電化製品が、街には自家用車があるれるなど、日本は物質的には大変豊かな社会となっています。しかし、それでも「豊かさを実感できない」と不満を述べている人が大勢います。

 何故でしょうか?それは日本人がその豊かさを感じる事ができないような貧相な精神構造に陥っているからだと思います。人間の欲望には限りがありません。その際限の無い欲望を満たそうと汲々としている限り、いつまでも何かを足りないと不満を抱き、豊かさを実感することはできないのです。

 つまり、足ることを知らなければ、豊かさを感じることはできないのです。結局、豊かさというものは「足るを知る」という精神構造があって初めて感じることができるのではないでしょうか。

 足る事を知らず、物質的な豊かさを追求しつづける限り、地球環境は破壊されつづけていきます。そうであれば、今の日本人にとって大切な事は、現在の豊かさを感謝し、「足るを知る」ことであると私は考えています。

足るを知るとは、心の問題です。分相応(ぶんそうおう)をわきまえることでしょうか。人間の欲望には限りがありません。 足るを知る者は貧しくても心は富み、足るを知らない者は富貴であっても心が貧しい。


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